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Gibson DARK FIRE(ダーク・ファイヤー) 速攻レビュー【再掲】

以下の文章は、2009年の初頭に会社(当時は個人事業主)のサイトにアップしたものである。

会社を設立したときに、会社のサイトからは、削除したのだが、未だこのページを訪れる方が何人かおられるようなので、こちらの個人サイトに再掲する。

文末で、RIPについては、後日掲載する、と書いておきながら、未だ書いていない。すまん!!

DarkFireGibson DARK FIRE(以下DF)をゲット!!このDFには、以前から注目していた。2008年の前半にAmerican Delux Stratocasterを買って、ロック式チューナーの素晴らしさに目覚めてしまい、Les Paulにも採用してくれないかな、と考えていた。(Les Paul GTは、在庫切れ)そうこうしているうちに、Les Paul 2008 Standard Plusが登場。ロック式チューナー採用のバーストだ!これで決まりか、となったところで、ロボット・ギター(以下、RG)の価格が大幅にダウン&バースト発売の発表。う~ん、となったところで、懇意にしているショップのスタッフ氏に、このDFのことを教えてもらった。まだ、Gibson USAの英語のサイトしかない頃だった。

当初、2008年12月15日全世界同時発売と告知されていたが、日本の店頭に並んだのは26日。翌27日に入手した。そんなに早く入手する気は無かったのだが、トップの木目があまりに綺麗だったので、ついつい(^^;)。木目ばかりは、一度逃すと二度と手に入らないからねぇ。木目を見ても、ギブソンのこのDARK FIREに対する本気がわかる。きっと、AAA以上でしょ。

細かいスペック等は、ギブソン・ジャパンや販売店のサイトを見てもらうとして、まず、それらに載っていない特徴やファースト・インプレッションをレビューしてみる。

ボディ・バックおよびネックは、サテン・フィニッシュである。(Les Paul BFGやMelodyMakerと同じ)部分的に使い古したように塗装が薄くなっている。このあたり、BFGを踏襲しているような感じ。サテンのサラっとした手触りは気持ちいい。ちなみに指板は、Les Paul Customと同じエボニー。

ネックは、Les Paul 2008 Standard Plus同様、アンシンメトリ・ネック。1弦側が薄くなっている。最近のStudioとかレギュラー品のLes Paulは、年々ネックが薄くなる傾向にある。この新型ネックも最初は、他のモデルとの違いがよくわからないのだけれど、弾いてるうちに「ああ、なるほど」と。確かに、人間の手のグリップは、シンメトリではないわな、と。ただし、爆発的に早弾きできるようになるわけではないので、過剰な期待は禁物。

このDFのキモ、MCK(Master Control Knob)について。ノブをアップして、ダイヤルを回す操作は、RGと同じなのだが、アップポジションで、ノブを軽くクリックしてバンクを切り替えるようになっている。例えば、自動チューニングする場合、アップしてチューニングポジション(#bマーク)までダイヤルを回す。ここで、ノブをクリックすることで、チューニングパターンのバンク(1バンク6パターン×3バンク)を切り替える。あとはRG同様、目的のパターンまでダイヤルを回す。ここでまたクリックしてパターンを確定して、ジャラーンと弦を鳴らすとチューニングしてくれる。MCKを下げて弾けばいいと。RGのチューニングパターンが6パターンだったのに対して、DFが18パターンというのは、こういうからくりで実現している。ちなみにレギュラーに戻すときは、MCKをアップして、ジャラーンとやるだけ。

それぞれのバンクには、ブルー、グリーン、レッドの色が割り当ててあり、バンクを切り替えると、MCKの色も変わる。なかなか綺麗。ブルーバンクは、RGと同じ。グリーンバンクは、ブルーズで使うチューニングなのかな。レッドバンクはダウンチューニング。ここで注意!添付のクイックスタートガイドにも書いてあるけど、ダウンチューニングを使うときは、太い弦にしましょう。私は、気付かずに010の弦でダウンチューニングにして、レギュラーに戻すときに1弦が切れてしまった。チューニングスピードがRGより速くなっている分、瞬間に強い力がかかるので、こうなってしまうのではないかと。まぁ私の場合、レギュラー以外で使うのは、ドロップDと、まれにオープンGとDADGADくらいなので、ブルーバンクで十分なんだが。実はDADGADはこのDFを買って初めて試してみた。Kashmirのリフを弾いたら、まんま、あの音だったんで笑った。

次に、カメレオン・トーン・テクノロジー(以下、CTT)。これが最もDFらしい機能。MCKでトーンを切り替える。クラッシックGibson(バーストLes Paul?)、L5(おお!)、アコースティック、ソリッド・ロック、メタルといったトーンが8パターン、プリセットされている。モデリングというよりは、イコライジングと言った方がいいだろう。ここに、FenderのVG Stratocasterとの方向性の違いが見て取れる。モデリングという、電子的に全く別物のギターを仮想生成するのではなくて、そのギター自体の出せるサウンドをどれだけ拡張できるかという考え方である。私は、このGibsonのアプローチの方が好感が持てる。エレクトリックといえど、ギターは木とその他パーツの共振・共鳴でサウンドが創られる。そのギターの基本中の基本だけは譲らない姿勢は共感できる。私としては、そのギターの木材の振動がそのままサウンドとなって出てほしい。このCTTをいろいろいじっていて、面白いことがわかった。メタルのモードにすると、ディストーションのかかりがよくなる。これは結構使える機能とみた。

ピックアップについて。フロントはP90H、リアはBurstBucker3。BurstBuckerは言わずもがな、フロントにP90を持ってきたのは大正解。このP90、シングルでありながら、太く丸い音が出る素晴らしいピックアップ。ディストーションをかけてもよいが、クリーンでも、いわゆる甘い音が出る。ジャズ系の曲でも十分対応できるだろう。私は、BFGと同じエレクトロニクスを搭載したStudioを持っている。このStudioを使うようになってから、リア一辺倒だったのがフロントも多用するようになった。DFにマウントされているのは、P90Hと言って、ハムノイズ対策が施されている新型ピックアップである。そして、特筆すべきはピアゾピックアップの搭載だろう。私も最近知ったのだが、実はRGにもピアゾは搭載されていた。ピアゾで弦の音を拾って、チューニング信号を微弱電流にして弦に流し、信号を受け取ったパワーヘッドチューナーがチューニングする、というメカニズムのようだ。今回DFでは、そのピアゾをチューニング信号だけでなく、サウンドにも反映できるようになった。このピアゾのサウンド出力は、ピックアップセレクターで選択するというのではなくて、P90やBurstBuckerのサウンドにブレンドするという方式になっている。MCKをピアゾ設定モードにして、なんと、ピックアップセレクターノブがダイヤルになっていて、そこで、0%~100%の割合でブレンドの割合を設定する。

おまけで言っておくと、ストラップピンとシールドプラグもロック式である。ライヴ対応ということか。それから、充電ボックスが付属されてくる。ステレオ用のシールドで本体とつないで充電する。この充電ボックスは出力端子が2個ついていて、フロントorリアピックアップとピエゾピックアップの音を分離して出すことができる。

さて、つらつらと気の赴くままに書いてきたが、いったんまとめておく。DFのお気に入りの点は以下のとおり。

・手触りがよく、握りやすいサテン・フィニッシュ&アンシンメトリのネック
・高速化&小型化したパワーヘッドチューナー
・サウンドを拡張するカメレオン・トーン・テクノロジー
・P90H、BurstBucker3、ピエゾという3種類のピックアップ
・ロック式のチューナー、ストラップピン、シールドプラグ

まるで、CustomとBFGとRGとGTと2008 Standard Plusの全ての機能+αという、まさに”全部入り”のLes Paulである。欲しい機能が全てある、というのは嬉しい限り。買って正解だった。

なお、DFのもうひとつの大きな特徴として、RIP(ロボット・インターフェース・パック)があるが、これは、後日Gibsonから送られてくるようになっている。到着後レビューをアップする予定なので、乞うご期待!!

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